この事件は「私らの未来」かも。

先週、新聞に載っていた記事ですが……。


寝たきり状態の姉(84)を殺害したとして、殺人罪に問われた妹(82)の裁判員裁判で、東京地裁(高橋康明裁判長)は2日、懲役3年執行猶予5年(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。被告は1人で姉を介護する「老老介護」の状態で、生活保護を受給して姉を施設に預ける提案を受けていたが、「税金をもらって生きるのは他人に迷惑をかける」などと考えて受給せず殺害に至っていた。(新屋絵里)


引用部分はすべて2021年12月3日付、朝日新聞 朝刊31面から抜粋させていただきました。


ざっと見出しを読んだだけでも心が痛みましたね~。

生活保護拒み、姉に手かけた。


老々介護「他人のお金で生きるのは・・・」


年金 月10万円 施設入る余裕なく。

切ない……。



犯行時の記述がまた物悲しい。

 判決によると、東京都の玉置キヌヱ被告は今年3月、姉の顔にウェットティッシュを置き手で押さえて窒息死させた犯行時は手を握り「お姉ちゃん、ごめんね」と声をかけたという。


 約60年前に福岡県から上京した姉妹は2人で暮らし、親しい親戚や知人はいなかった。姉は約5年前に介護が必要になり、約2年前から寝たきり状態に。2人の収入は1カ月あたり約10万円の年金だけだった姉を特別養護老人施設に入れるため生活保護の受給申請をケアマネジャーから提案されても、被告は拒み、1人で介護を続けた。


裁判官の温情判決で執行猶予判がついたのはせめてもの救いでした。

検察側は論告で「短絡的な犯行だ」と批判したが、高橋裁判長はこの日の判決で「第三者に助けを求めることはできたが、『生活保護を受けてまで生活したくない』との考えから抜け出せなかった。非常に苦しく絶望的な状況での犯行で同情できる」と述べた。その上で、「憎悪や怒り」を理由に殺していないことなどから刑の執行を猶予した。


それにしても検察はだな。誰よこの論告したの。冷たすぎない?


生活保護を受けなかった理由について、被告は法廷や供述調書で「税金からお金をもらうのは他人のお金で生きることで迷惑をかける」「親にも、他人に迷惑をかけないように言われて育った」と説明。殺害の動機は、姉の体調が悪化し「これ以上介護できない。迷惑をかけないためには終わらせるしかない」と考えたためで、殺害後は自ら110番通報した。


いやいや、家族を手にかけるくらいなら生活保護で助けてもらおうよ~。
「税金からお金をらって、他人のお金で生きること」がそんなにイケナイことですかね?


 この「自己責任」の呪いに取り憑かれた揚げ句の顛末はどうよ?


対象世帯 受給は2~4割


 社会保障に詳しい佐久大学の唐鎌直義・特任教授は「約8割が受給している英国と比較すれば、日本は未受給が明らかに多い」と指摘。唐鎌氏の試算では、保護を受けられる高齢者世帯のうち約1割しか受給していないとみられる。

  受給の割合が低い背景の一つに、今回の事件のように「他人に迷惑をかけたくない」「世間体が気になる」との考えがあり、高齢者になるほどその傾向が強まると言う。唐鎌氏は「行政や地域の担当者が生活保護は権利であり、恥ずかしいことではないと広く知らしめる必要がある」と訴えている。


 今の日本に蔓延している「何があっても自己責任」みたいな空気はね~。早くどうにかしないと。


 前回の記事で紹介した動画でも三橋先生が「自己責任論」に触れていましたよね。
 以下ちょっと復習コーナー。
 32:30 そもそも「自己責任論」が蔓延したのは「財政破綻論」のせい。
 33:30 「自己責任」で済ませるなら政府いらねーじゃん。
 34:00 「規制緩和」「構造改革」で競争激化。負け組を黙らせる口実が必要だった。
 34:50 「自己責任論」は平時の甘え。非常時には通用しない。


 長年、「新自由主義」を掲げて「構造改革」と「緊縮財政」ばっかやってきた結果でしょ。今の日本。
 負け組ばっかりなってしまった現状をなんとかしないと。
 


アメブロの方にも新しい記事を投稿しました。
三橋貴明先生の令和3年度補正予算をわかりやすく解説した動画を紹介しております。



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【生活保護を受けよう!】 #新型コロナウイルス #緊急事態宣言【れいわ新選組代表 山本太郎】